真海が出て行って4日目のことだった
予定ではこの日に彼女が戻るはずだが、折悪しくひどい強風で気温もかなり下がっている
遅れるのを承知で待っていたハンプティらの小屋を、小さく叩く音があった
何者だ、名をなのれ! とは言っていませんが、最初は警戒して小屋の戸をあけませんでした。だって怪しいんだもん。真海たんなら「ただいま戻りました」といって入ってくるはず。こちらが戸をあけるのを待つようなことはしない……はずです。息を潜めて様子を窺っていると、戸を叩く音がだんだんと弱々しく、小さく……。
もしや、怪我でもしたか!?
あわてて戸をあけました。粉雪とともに小屋の中に転がり込んできたのは……司祭服を着ためがね男。
着衣は紛れも無く神父のものであるし、絵に描いたような青瓢箪
わざわざ好んで神父の格好をする学者もいないであろうから、間違いなく神父なのだろう
見ると寒さのためガタガタ震えてるではありませんか。うわっ、やべ。凍え死にかけてるよ、こいつ。てなことで、さっそくお湯をのませてやりました。……ちなみに茶とか珈琲とかは樵小屋の中にはありません。ハンプティーたちも雪を溶かしたお湯飲んでましたw タオルなんかも無いので、とりあえず暖炉の傍に座らせて、小屋にあった毛皮を被せて体を温めてやりましたよ。
人心地ついたのか、男はぽつぽつと喋りだしました。聞けばやはり神父なんだとか。ニジンスク内陸部にあるアンソンという小さな町の神父さんです。キーリスカヤ侵攻前のアンソンは、新規の鉱山開発で賑わいを見せていたそうです。が、それが禍いして大規模な強制収容所が作られてしまったとのこと。神父は≪ある計画≫を知り、それを阻止すべく強制収容所こから命からがら逃げ出してきたそうです。途中、追っ手に捕まって殺されそうになったところを真海たんに助けられ、ハンプティたちが潜伏している小屋の場所を教えられたのだとか。
……で? 真海たんはどこ?
暫くして真海たんが帰還しました。そして真海たんの報告と神父の話により恐ろしいことが発覚します(つづく)。
| この記事にトラックバックする: |